コロナ相場で円高にならないワケ その1

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2020年2月頃から始まった、いわゆるコロナ相場。株価の暴落や為替の大荒れ、さらには原油先物が史上初のマイナス価格になるなど、何かと話題が目白押しでした。

この一連のコロナ相場では、これまでの相場セオリーに合わないような怪奇(?)現象もいくつか起きています。そのうちのひとつが、リスクオフなのに円高にならないというものです。

これについてはお気づきの方も多いと思いますが、その理由となると分からないといった声も聞かれます。コロナ相場で起きた珍しい現象と、これをトレードにいかすノウハウを数回にわたって解説したいと思います。

まず、超リスクオフなのに円高がそれほど進まない、それどころかドル高になっている理由から。これには、ドル不足が関係しています。しかし、経済に詳しい方であればここで不思議に思うはずです。FRBがあれだけ金融緩和をしているのに、なぜドルが不足するのか?と。

これについて重要なポイントを解説します。

コロナウイルスの影響で超リスクオフになったのに、なぜ円高ドル安にならないのかという理由について。

もちろん、コロナ相場で一度も円高にならなかったわけではありません。2020年3月9日には久々にフラッシュクラッシュ(一時的に発生する強烈な暴落相場)が発生、ドル円は101円台半ばまで急落しました。

この時にダメージを食らった投資家は多いと思いますが、そのドル円は何事もなかったように109円台まで回復しました。フラッシュクラッシュが起きたことはそれほど不思議ではありませんが、問題はその後です。

その後はドルが強い展開が続き、107円台でしばらく膠着状態となった時にもドルの底堅さが発揮されました。

ここで理由となっているドル不足は、マージンコールによって生み出されました。FX投資をすでにやっている方であれば聞いたことがあると思いますが、マージンコールとはポジションを維持するための証拠金が不足する現象です。

理由はさまざまですが、為替以外の株や先物などを保有している投資家が暴落相場でマージンコールを食らったものと思われます。

急遽証拠金を追加しないと強制ロスカットになってしまうため、あわてて投資通貨であるドルを調達するためにドル買いが起きました。

マージンコールは投資家にとってネガティブな流れなので、相場全体のリスクオフムードはさらに加速します。そうなるとますます円高地合いになるのでは?と思われる方もおられるでしょう。

リーマンショックのクラッシュ相場をご存じの方であれば、なおさらです。しかし、3月9日のフラッシュクラッシュ意外に目立った円高傾向はみられません。

その理由の2つ目として考えられるのが、アメリカの国債買いです。リスクオフになるとさまざまな安全資産が買われますが、アメリカの国債はその中でも代表格です。世界中の投資マネーがアメリカ国債に流れ、10年物金利は過去最低を記録するなど、こちらでも異常現象が起きました。

アメリカの国債を購入するためにはドルが必要なので、やはりこれもドル買い材料となりました。アメリカ国債が買われると長期金利は下落するため、長期金利の下落とドル円の上昇は高い相関性が見られました。

続きは、原油安について解説しようと思いますが、長くなりそうなので次の記事に譲ることにします。
こちらも参考にしてみてください。
コロナ相場で円高にならないワケ その2

コメント

  1. […] 1回目の理由についてはこちらの記事を参考にしてください。コロナ相場で円高にならないワケ1 […]