今週(2025年11月第1週)は、米国の**雇用統計(NFP)**をはじめ、RBA・BOEの政策金利発表、ADP雇用統計やISM景況指数など、為替市場を大きく揺らすイベントが目白押しの週です。
主要国ではインフレ・雇用・景況感の三拍子がそろい、ドル円・ユーロドル・ポンド円など主要通貨ペアに強いボラティリティが発生しやすい構成となっています。
特に米国では金利引き下げ観測と堅調な雇用データの綱引きが続いており、雇用統計の結果次第で年内利下げ見通しが再び変動する可能性も。
トレーダーとしては、短期トレードでは指標発表前後の乱高下リスクを意識しながら、テクニカルの節目を重視していきたい週です。
| 発表日 | 時刻 | 国 | 指標名 | 重要度 | 予想 |
|---|---|---|---|---|---|
| 11/3(月) | –:– | 日本 | 休場 | ★ | * |
| 06:45 | ニュージーランド | 9月住宅建設許可件数(前月比) | ★★ | ||
| 09:30 | オーストラリア | 9月住宅建設許可件数(前月比) | ★★ | 5.0% | |
| 10:45 | 中国 | 10月Caixin製造業PMI | ★★ | 50.7 | |
| 16:00 | トルコ | 10月CPI(前月比) | ★★ | 2.80% | |
| 16:00 | トルコ | 10月CPI(前年同月比) | ★★ | 33.20% | |
| 16:00 | トルコ | 10月製造業PMI | ★ | ||
| 16:30 | スイス | 10月CPI(前月比) | ★★ | -0.1% | |
| 17:30 | スイス | 10月製造業PMI | ★ | 47.6 | |
| 17:50 | フランス | 10月製造業PMI(改定値) | ★★ | 48.3 | |
| 17:55 | ドイツ | 10月製造業PMI(改定値) | ★★ | 49.6 | |
| 18:00 | ユーロ | 10月製造業PMI(改定値) | ★★ | 50.0 | |
| 18:30 | イギリス | 10月製造業PMI(改定値) | ★★ | 49.6 | |
| 23:45 | 米国 | 10月製造業PMI(改定値) | ★★ | 52.2 | |
| 24:00 | 米国 | 10月ISM製造業景況指数 | ★★★ | 49.4 | |
| 24:00 | メキシコ | 10月製造業PMI | ★ | ||
| 11/4(火) | 12:30 | オーストラリア | 豪準備銀行(中央銀行) 政策金利 | ★★★ | 3.60% |
| 16:40 | ユーロ | ラガルドECB総裁 発言 | ★★ | * | |
| 24:00 | 米国 | 9月JOLTS求人件数 | ★★ | 719.8万件 | |
| 11/5(水) | 06:45 | ニュージーランド | 7-9月期就業者数増減(前期比) | ★★ | 0.1% |
| 06:45 | ニュージーランド | 7-9月期就業者数増減(前年同期比) | ★★ | -0.2% | |
| 06:45 | ニュージーランド | 7-9月期失業率 | ★★ | 5.3% | |
| 08:50 | 日本 | 日銀・金融政策決定会合 議事要旨 | ★★★ | * | |
| 08:50 | 日本 | 10月マネタリーベース(前年同月比) | ★ | ||
| 10:45 | 中国 | 10月Caixinサービス部門PMI | ★★ | ||
| 16:00 | ドイツ | 9月製造業新規受注(前月比) | ★★ | ||
| 16:00 | ドイツ | 9月製造業新規受注(前年同月比) | ★★ | ||
| 16:45 | フランス | 9月鉱工業生産(前月比) | ★ | ||
| 17:50 | フランス | 10月サービス部門PMI(改定値) | ★★ | ||
| 17:55 | ドイツ | 10月サービス部門PMI(改定値) | ★★ | ||
| 18:00 | ユーロ | 10月サービス部門PMI(改定値) | ★★ | 52.6 | |
| 18:30 | イギリス | 10月サービス部門PMI(改定値) | ★★ | ||
| 19:00 | ユーロ | 9月PPI(前月比) | ★★ | ||
| 19:00 | ユーロ | 9月PPI(前年同月比) | ★★ | ||
| 21:00 | 米国 | MBA住宅ローン申請指数(前週比) | ★ | ||
| 22:15 | 米国 | 10月ADP雇用統計(前月比) | ★★★ | 2.50万人 | |
| 23:45 | 米国 | 10月サービス部門PMI(改定値) | ★★ | ||
| 23:45 | 米国 | 10月総合PMI(改定値) | ★★ | ||
| 24:00 | 米国 | 10月ISM非製造業景況指数(総合) | ★★★ | 51.0 | |
| 11/6(木) | 08:30 | 日本 | 9月現金給与総額(前年同月比) | ★ | 1.9% |
| 09:30 | オーストラリア | 9月貿易収支 | ★ | 35.00億豪ドル | |
| 16:00 | ドイツ | 9月鉱工業生産(前月比) | ★★ | ||
| 16:00 | ドイツ | 9月鉱工業生産(前年同月比) | ★★ | ||
| 17:00 | スイス | 10月失業率 | ★ | 3.0% | |
| 18:30 | イギリス | 10月建設業PMI | ★★ | ||
| 19:00 | ユーロ | 9月小売売上高(前月比) | ★★ | ||
| 19:00 | ユーロ | 9月小売売上高(前年同月比) | ★★ | ||
| 21:00 | イギリス | BOE政策金利 | ★★★ | 4.00% | |
| 21:00 | イギリス | MPC議事要旨 | ★★★ | * | |
| 21:30 | 米国 | 10月チャレンジャー人員削減数(前年比) | ★ | ||
| 22:30 | 米国 | 新規失業保険申請件数 | ★★ | ||
| 22:30 | 米国 | 失業保険継続受給者数 | ★★ | ||
| 22:30 | 米国 | 非農業部門労働生産性(速報値) | ★ | 3.3% | |
| 22:30 | 米国 | 単位労働コスト(速報・年率) | ★ | 1.0% | |
| 24:00 | 米国 | 9月卸売売上高(前月比) | ★ | ||
| 24:00 | カナダ | 10月Ivey PMI | ★ | 59.8 | |
| 28:00 | メキシコ | メキシコ中銀 政策金利 | ★★ | 7.25% | |
| 11/7(金) | –:– | 中国 | 10月貿易収支(米ドル) | ★★ | |
| –:– | 中国 | 10月貿易収支(人民元) | ★★ | ||
| 08:30 | 日本 | 9月家計調査・消費支出(前年同月比) | ★ | 2.5% | |
| 08:50 | 日本 | 対外中長期債(前週分) | ★ | ||
| 08:50 | 日本 | 対内株式(前週分) | ★ | ||
| 16:00 | ドイツ | 9月貿易収支 | ★ | ||
| 16:45 | フランス | 9月貿易収支 | ★ | ||
| 16:45 | フランス | 9月経常収支 | ★ | ||
| 17:00 | スイス | 10月SECO消費者信頼感指数 | ★ | -35.0 | |
| 21:00 | メキシコ | 10月CPI(前年同月比) | ★★ | ||
| 22:30 | 米国 | 10月非農業部門雇用者数 | ★★★ | ||
| 22:30 | 米国 | 10月失業率 | ★★★ | ||
| 22:30 | 米国 | 10月平均時給(前月比) | ★★★ | ||
| 22:30 | 米国 | 10月平均時給(前年同月比) | ★★★ | ||
| 22:30 | カナダ | 10月新規雇用者数 | ★★★ | ||
| 22:30 | カナダ | 10月失業率 | ★★★ | ||
| 24:00 | 米国 | 11月ミシガン大学消費者態度指数・速報 | ★★ | 54.0 | |
| 29:00 | 米国 | 9月消費者信用残高(前月比) | ★ | ||
| 11/9(日) | 10:30 | 中国 | 10月CPI(前年同月比) | ★★ | |
| 10:30 | 中国 | 10月PPI(前年同月比) | ★★ |
🇺🇸 アメリカ
今週の最大注目はやはり11月1日(金)の米雇用統計。
非農業部門雇用者数・失業率・平均時給の3点セットがそろって発表され、労働市場の減速具合とインフレ圧力の確認が焦点です。
また、ISM製造業・非製造業景況指数、ADP雇用統計、JOLTS求人件数なども並ぶため、週前半からドルが神経質に反応する展開が想定されます。
テクニカル的には、ドルインデックスが再び104〜105ポイント台を維持できるかが焦点。
金利市場では「年内利下げ0.5%」の織り込み具合が変動しやすく、発表直後のドル円は一時的な乱高下に注意です。
🇯🇵 日本
日本は3日(月)が休場。
5日(水)には日銀の金融政策決定会合議事要旨と10月マネタリーベースが公表予定。
円安が続く中で、「追加緩和」よりも「出口戦略」に関するヒントが出るかどうかが注目ポイントです。
また、6日(木)には9月現金給与総額や7日(金)の家計調査・消費支出など、賃金・物価動向を確認できる指標が並びます。
総じて「日本の物価上昇が定着しているか」を探る週となり、賃金伸び率が2%台後半を維持できるかが焦点です。
🇪🇺 ユーロ圏
ユーロ圏では、10月PMI改定値・PPI・小売売上高が相次ぎ発表。
ECBラガルド総裁の発言も予定されており、景気鈍化とインフレ抑制の板挟みが続きそうです。
特に、PMIが50を下回る国が増えるようだと、**「景気後退懸念 → ユーロ売り」**に傾く可能性があります。
一方で、エネルギー価格の落ち着きによりPPIが安定するなら、ユーロドルは下値を支えられる展開も。
1.07ドル台前半でのレンジ攻防を想定。
🇬🇧 イギリス
6日(木)にはBOE(英中銀)の政策金利発表と議事要旨が予定されており、今週のポンド相場の最大イベントです。
インフレ率は依然として高止まりしており、金利据え置き予想(4.00%)ながらタカ派姿勢が続くかどうかが焦点。
MPC議事要旨で「長期的な高金利維持」が示唆されれば、ポンドは一時的に買い戻される可能性もあります。
ただし、国内の建設業PMIや消費関連データが軟化すれば、上値は限定的になりやすい見通しです。
🇨🇭 スイス
CPIや失業率、PMI、そして消費者信頼感指数が発表予定。
物価が小幅マイナス圏に戻る見通しとなっており、スイスフランはリスク回避時の一時買い程度に留まる展開。
SNBの追加利上げ観測は後退しており、CHFは対ユーロでやや弱含み傾向です。
🇨🇳 中国
今週は製造業PMI、サービスPMI、貿易収支、CPI・PPIなど、経済全体の健康状態を示すデータが集中します。
10月分のCaixin製造業PMIが50台を維持できるかが焦点で、景気底打ち期待 vs 不動産不安が綱引き。
輸出の減速や内需低迷が示されると、オセアニア通貨(AUD・NZD)にも波及する可能性があります。
中国指標は直接的にトレード材料にされにくいですが、リスクセンチメント全体を左右する週となりそうです。
🇦🇺 オーストラリア
RBA(豪準備銀行)は政策金利3.60%で据え置き予想。
同時に、住宅建設許可や貿易収支などのデータが発表されるため、豪経済のインフレ圧力と需要動向のバランスを確認する週です。
RBA声明がタカ派的であれば、AUD/USDは0.65ドル台後半まで上昇余地あり。
逆にハト派トーンが出れば、0.64ドル台前半まで押す可能性も。
🇳🇿 ニュージーランド
住宅建設許可・雇用統計と、不動産・労働市場の両面からのデータが公表されます。
特に7-9月期の就業者数・失業率が悪化した場合、RBNZの利上げ打ち止め観測が強まりNZDは軟調。
NZD/USDは0.59ドル台後半〜0.60台前半のレンジを想定。
🇨🇦 カナダ
6日(木)のIvey PMI、7日(金)の**雇用統計(新規雇用者数・失業率)**が注目。
前回7.1%と悪化した失業率が改善すれば、カナダドルの反発も視野に。
ただし、米雇用統計との同時発表となるため、CADの単独反応は限定的になりやすいでしょう。
🇲🇽 メキシコ/🇹🇷 トルコ
トルコではCPI(インフレ率33%超)が続く高止まり状態。
金利高止まりの中、通貨リラの安定度合いが焦点。
メキシコでは中銀政策金利とCPIの発表があり、インフレ抑制と成長維持の両立が課題。
特にCPIが予想を上回ると、**MXN買い戻し(高金利通貨需要)**の流れも期待できます。


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