コロナ相場で円高にならないワケ その2

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コロナ相場の超リスクオフにもかかわらず、極端な円高が起きない理由の2回目です。

1回目の理由についてはこちらの記事を参考にしてください。
コロナ相場で円高にならないワケ その1

マージンコール、アメリカ国債買いときて、理由はまだあります。今回解説したいのは、原油安です。

ご存じの方も多いと思いますが、アメリカのWTI原油先物がクラッシュして、5月限ものがマイナス40ドルをつけるという史上初の珍事が起きました。これについてはマイナスになることを想定していなかった市場参加者がほとんどで、しかも証券会社までそれを想定していなかったことから大混乱が起きました。

WTI原油先物とドル相場には相関性があって、原油高になるとドル安、原油安になるとドル高というのがこれまでのセオリーです。こちらについてはセオリー通りとなったため、WTI原油先物が大暴落したことはドル高圧力となりました。

かくしてドル円は107円を強いサポートとして機能し、2020年4月の終わりまで107円と108円のレンジを維持しました。4月の終盤には107円のサポートを割りましたが、それと同時にWTI原油先物が急回復していることは見逃せません。

コロナ相場で円高が加速しないことは十分珍しいことなのですが、それ以外にも珍事は起きています。その典型ともいえるのが、金相場の下落です。

「有事の金」という言葉があるように、金融市場の世界ではリスクオフになると安全資産である金が買われる傾向が強く見られます。

なぜ金がそこまで安全資産と見られているのかというと、有限の資産だからです。

金融緩和によって主要国は通貨の発行量を増やしまくっていますが、これによって通貨の価値は必然的に下がっていきます。主要通貨であるドル、円、ユーロがいずれもあまり暴落していないのは、それぞれの通貨当局が金融緩和で通貨を増やしまくっているからです。

かつてアメリカが金融緩和をしている一方でほとんど日本が何もしなかったためにドル円が70円台にまで円高進行してしまったのは、記憶に新しいところです。

本来であればコロナウイルス感染拡大という有事であれば金が買われるはずなのですが、意外にも売られる局面がありました。

これもドル不足が関係していて、金を売ってドルを買い、マージンコールに備えている投資家が多いのではないかという観測が流れました。

コロナショックという巨大なリスクオフ要因があるのに、円高が進まない理由を前回まで解説してきました。それでは、今後はどうなるのか?投資家の皆さんにとってそこはとても重要だと思いますので、今後を展望してみたいと思います。

今後についてですが、やはりリスクオフの流れが変わるわけではないので、一時的なドル高や円安があっても、大きな流れとしては円高方向ではないかと見ています。その主な理由は、以下の3つです。

①FRBの異常ともいえる金融緩和が続くとドル余りが起きる
②テクニカル的にドル円は107円がレジスタンスになる
③コロナウイルスのリスクは今後主要国から途上国に移行して感染者数が爆発的に増える可能性がある

その逆に円が売られる要因はあるかと思って探してみましたが、コロナウイルスの感染者数がそもそも少ない上にリスクオフ=円高という大きな相関性があるだけに、やはり中長期的に105円、100円を目指していく円高方向がトレンドであることに変わりはないと思います。

今回は、原油安について解説してみました。1回目の記事ではコロナ相場でも円高にならない他の理由も開設していますので参考にしてみてください。
コロナ相場で円高にならないワケ その1

コメント

  1. […] 続きは、原油安について解説しようと思いますが、長くなりそうなので次の記事に譲ることにします。こちらも参考にしてみてください。コロナ相場で円高にならないワケ その2 […]