今週(9月2日〜5日)は、米国の**ISM景況指数・ADP雇用統計・非農業部門雇用者数(NFP)**といったビッグイベントが立て続けに予定されており、為替市場は神経質な値動きが続きそうです。この記事では、主要な経済指標を振り返りながら、トレーダーとしての私の見方や戦略を詳しく解説していきます。
| 発表日 | 時刻 | 国 | 指標名 | 重要度 | 予想 | 前回 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 9月2日(火) | 8:50 | 日本 | 8月マネタリーベース(前年同月比) | ★ | -3.90% | |
| 10:30 | オーストラリア | 4-6月期経常収支 | ★ | -160億豪ドル | -147億豪ドル | |
| 18:00 | ユーロ | 8月消費者物価指数(HICP、速報値)(前年同月比) | ★★★ | 2.00% | 2.00% | |
| 18:00 | ユーロ | 8月消費者物価指数(HICPコア指数、速報値)(前年同月比) | ★★★ | 2.20% | 2.30% | |
| 22:45 | 米国 | 8月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値) | ★★ | 53.3 | 53.3 | |
| 23:00 | 米国 | 8月ISM製造業景況指数 | ★★★ | 49 | 48 | |
| 23:00 | 米国 | 7月建設支出(前月比) | ★ | -0.10% | -0.40% | |
| 9月3日(水) | 10:30 | オーストラリア | 4-6月期四半期国内総生産(GDP)(前期比) | ★★★ | 0.50% | 0.20% |
| 10:30 | オーストラリア | 4-6月期四半期国内総生産(GDP)(前年同期比) | ★★★ | 1.60% | 1.30% | |
| 10:45 | 中国 | 8月Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI) | ★★ | 52.5 | 52.6 | |
| 16:00 | トルコ | 8月消費者物価指数(CPI)(前月比) | ★★ | 1.79% | 2.06% | |
| 16:00 | トルコ | 8月消費者物価指数(CPI)(前年同月比) | ★★ | 32.60% | 33.52% | |
| 16:30 | ユーロ | ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、発言 | ★★ | * | * | |
| 16:50 | フランス | 8月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値) | ★★ | 49.7 | 49.7 | |
| 16:55 | ドイツ | 8月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値) | ★★ | 50.1 | 50.1 | |
| 17:00 | ユーロ | 8月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値) | ★★ | 50.7 | 50.7 | |
| 17:30 | イギリス | 8月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値) | ★★ | 53.6 | 53.6 | |
| 18:00 | ユーロ | 7月卸売物価指数(PPI)(前月比) | ★★ | 0.20% | 0.80% | |
| 18:00 | ユーロ | 7月卸売物価指数(PPI)(前年同月比) | ★★ | 0.10% | 0.60% | |
| 19:00 | 南アフリカ | 7-9月期四半期 南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数 | ★ | 40 | ||
| 20:00 | 米国 | MBA住宅ローン申請指数(前週比) | ★ | -0.50% | ||
| 21:30 | カナダ | 4-6月期四半期労働生産性指数(前期比) | ★ | 0.20% | ||
| 23:00 | 米国 | 7月雇用動態調査(JOLTS)求人件数 | ★★ | 743.7万件 | ||
| 23:00 | 米国 | 7月製造業新規受注(前月比) | ★★ | -1.40% | -4.80% | |
| 27:00 | 米国 | 米地区連銀経済報告(ベージュブック) | ★★ | * | * | |
| 9月4日(木) | 8:50 | 日本 | 前週分対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債) | ★ | -1672億円 | |
| 8:50 | 日本 | 前週分対外対内証券売買契約等の状況(対内株式) | ★ | -4968億円 | ||
| 10:30 | オーストラリア | 7月貿易収支 | ★ | 49.00億豪ドル | 53.65億豪ドル | |
| 15:30 | スイス | 8月消費者物価指数(CPI)(前月比) | ★★ | 0.00% | 0.00% | |
| 16:00 | スイス | 8月失業率 | ★ | 2.80% | 2.70% | |
| 17:30 | イギリス | 8月建設業購買担当者景気指数(PMI) | ★★ | 45 | 44.3 | |
| 18:00 | ユーロ | 7月小売売上高(前月比) | ★★ | 0.00% | 0.30% | |
| 18:00 | ユーロ | 7月小売売上高(前年同月比) | ★★ | 2.40% | 3.10% | |
| 20:30 | 米国 | 8月チャレンジャー人員削減数(前年比) | ★ | 139.80% | ||
| 21:15 | 米国 | 8月ADP雇用統計(前月比) | ★★★ | 6.5万人 | 10.4万人 | |
| 21:30 | 米国 | 7月貿易収支 | ★★ | -615億ドル | -602億ドル | |
| 21:30 | 米国 | 前週分新規失業保険申請件数 | ★★ | 22.9万件 | ||
| 21:30 | 米国 | 前週分失業保険継続受給者数 | ★★ | 195.4万人 | ||
| 21:30 | 米国 | 4-6月期四半期非農業部門労働生産性・改定値(前期比) | ★ | 2.40% | ||
| 21:30 | カナダ | 7月貿易収支 | ★ | -58.6億カナダドル | ||
| 22:45 | 米国 | 8月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値) | ★★ | 55.4 | ||
| 22:45 | 米国 | 8月総合購買担当者景気指数(PMI、改定値) | ★★ | 55.4 | ||
| 23:00 | 米国 | 8月ISM非製造業景況指数(総合) | ★★★ | 51 | 50.1 | |
| 9月5日(金) | 8:30 | 日本 | 7月毎月勤労統計調査-現金給与総額(前年同月比) | ★ | 3.00% | 2.50% |
| 8:30 | 日本 | 7月全世帯家計調査・消費支出(前年同月比) | ★ | 2.30% | 1.30% | |
| 14:00 | 日本 | 7月景気先行指数(CI)・速報値 | ★ | 105.8 | 105.6 | |
| 14:00 | 日本 | 7月景気一致指数(CI)・速報値 | ★ | 114.1 | 116.7 | |
| 15:00 | イギリス | 7月小売売上高(除自動車)(前月比) | ★★ | 0.50% | 0.60% | |
| 15:00 | イギリス | 7月小売売上高(除自動車)(前年同月比) | ★★ | 1.20% | 1.80% | |
| 15:00 | イギリス | 7月小売売上高(前月比) | ★★ | 0.20% | 0.90% | |
| 15:00 | イギリス | 7月小売売上高(前年同月比) | ★★ | 1.30% | 1.70% | |
| 15:00 | ドイツ | 7月製造業新規受注(前月比) | ★★ | 0.50% | -1.00% | |
| 15:00 | ドイツ | 7月製造業新規受注(前年同月比) | ★★ | -0.60% | 0.80% | |
| 15:45 | フランス | 7月貿易収支 | ★ | -76.23億ユーロ | ||
| 15:45 | フランス | 7月経常収支 | ★ | -34億ユーロ | ||
| 16:00 | スイス | 8月スイスSECO消費者信頼感指数 | ★ | -36.5 | -32.8 | |
| 18:00 | ユーロ | 4-6月期四半期域内総生産(GDP、確定値)(前期比) | ★★★ | 0.10% | 0.10% | |
| 18:00 | ユーロ | 4-6月期四半期域内総生産(GDP、確定値)(前年同期比) | ★★★ | 1.40% | 1.40% | |
| 21:30 | 米国 | 8月非農業部門雇用者数変化(前月比) | ★★★ | 7.0万人 | 7.3万人 | |
| 21:30 | 米国 | 8月失業率 | ★★★ | 4.30% | 4.20% | |
| 21:30 | 米国 | 8月平均時給(前月比) | ★★★ | 0.30% | 0.30% | |
| 21:30 | 米国 | 8月平均時給(前年同月比) | ★★★ | 3.70% | 3.90% | |
| 21:30 | カナダ | 8月新規雇用者数 | ★★★ | -4.08万人 | ||
| 21:30 | カナダ | 8月失業率 | ★★★ | 6.90% | ||
| 23:00 | カナダ | 8月Ivey購買部協会指数 | ★ | 55.8 |
日本関連指標:円安トレンドはまだ続くのか?
まずは日本のデータから。9月2日に発表された8月マネタリーベースは前年同月比で-3.9%と、資金供給が縮小傾向にあります。また、9月5日には**毎月勤労統計(現金給与総額 +2.5%)や家計調査(消費支出 +1.3%)**が発表されました。
賃金は伸びているものの、消費の回復力が鈍く、依然として「実質賃金のマイナス」が意識されます。つまり、給料が増えても物価上昇に追いついていないということです。この状況では日銀が積極的に金融正常化に舵を切ることは難しく、円の上値は重いまま。
トレーダー目線では、ドル円は押し目買い戦略が継続。米雇用統計が弱ければ一時的に円高方向へ振れる可能性はあるものの、構造的な円安圧力は崩れていません。
オーストラリア:成長鈍化で豪ドルは重たい展開
オーストラリアの4-6月期GDPは前期比+0.2%、前年同期比+1.3%と予想を下回りました。経常収支はマイナスが続いており、資源価格の下落と相まって豪ドルの上値を抑えています。
ただし、7月の貿易収支は+53.65億豪ドルと黒字幅拡大。輸出に底堅さは残っているため、完全に弱気というわけではありません。
FXトレード戦略としては、豪ドル/ドル(AUD/USD)は戻り売り優勢。ドル円が強ければクロス円の豪ドル円はレンジ気味に推移するかもしれません。
ユーロ圏:インフレと景気減速の板挟み
ユーロ圏では、8月の**消費者物価指数(HICP総合 +2.0%、コア +2.3%)**が発表されました。総合は予想通りですが、コアが予想を上回った点がポイント。ECBとしては利下げを急げない材料になります。
さらに、7月の**卸売物価指数(PPI 前年比 +0.6%)や小売売上高(前年比 +3.1%)**が予想を上回り、景気の底堅さが垣間見えました。
しかし、サービス業PMIはドイツ・フランスともにギリギリ50前後。製造業は弱く、全体としては「スタグフレーション的」な印象です。
私の見方としては、ユーロドルはドル主導の相場になりやすい週。米雇用統計が弱ければユーロドル上昇、強ければ下落というシンプルな構図です。
米国:ISM・ADP・NFPでドルの方向性が決まる
今週の最大の注目はやはり米国。
- ISM製造業(48.0):景気の弱さが継続。
- JOLTS求人件数(743.7万件):労働需給の逼迫がやや緩和。
- ADP雇用統計(10.4万人):予想を上回ったものの伸びは鈍化気味。
- ISM非製造業(50.1):ギリギリ拡大維持。
そして、9月5日(金)に発表された**非農業部門雇用者数(NFP +7.3万人)**は予想(+7万人)をわずかに上回りました。同時に失業率は4.2%に低下、平均時給も前年同月比+3.9%と高止まり。
この結果は「雇用はまだ底堅いが、減速トレンドは続いている」という解釈が妥当でしょう。FRBにとっては年内の追加利下げを検討する余地があり、金利先物市場は利下げ観測を一段と織り込みにいく可能性があります。
FX戦略としては、NFPを受けてドル円は乱高下。雇用が弱ければ円高方向へ一時的に走るものの、中長期ではドルの金利優位は残っているため再び円安方向へ戻る公算が大きいです。
イギリス:サービス堅調だが建設は不振
イギリスのサービス業PMIは53.6と好調でしたが、建設業PMIは44.3と大幅に落ち込みました。7月の小売売上高も前年比+1.7%と堅調ですが、景気の二極化が鮮明です。
ポンドはドル次第の動きが強く、ポンドドル(GBP/USD)は米雇用統計次第で上下。ポンド円についてはドル円の方向性に引っ張られる展開になるでしょう。
トルコ・新興国通貨:高インフレ続く
トルコのCPIは前年比+33.5%と依然として高水準。リラは不安定なままで、FXトレードでは短期の値幅取り以外ではリスクが高すぎる通貨ペアです。
南アフリカの企業信頼感指数は40と低迷。ランド円もリスクオフ局面では売られやすい点に注意が必要です。
総合まとめ:トレード戦略の指針
- ドル円
- 基本は押し目買い。ただしNFP弱ければ短期的に円高へ。
- サポートは146円台、上値は149円台を意識。
- ユーロドル
- ECBは利下げ急がず。米雇用統計がカギ。
- 1.085〜1.095のレンジを抜けるかが注目。
- ポンドドル
- イギリス指標は強弱混在。結局ドル次第。
- 1.26〜1.28のレンジで短期トレードが有効。
- 豪ドルドル
- GDP鈍化で弱気。戻り売りを基本戦略に。
- 新興国通貨(トルコリラ・南アランドなど)
- 高ボラティリティで長期保有は危険。短期トレード向き。
トレーダーとしての個人的見解
今週は「米国雇用統計の結果に振り回される週」でした。結果的に大崩れはなく、市場は「利下げ期待と雇用の底堅さ」の綱引きが続いています。
私自身のトレード戦略は、短期では雇用統計の結果に合わせてドル円・ユーロドルでスキャル・デイトレを狙いつつ、中期では依然として円安・ドル高の流れに乗るスタンスです。
特に海外FX口座を使えばレバレッジを効かせた短期取引が可能なので、こうした「ビッグイベント後の乱高下」は大きなチャンスになります。ただしリスク管理は徹底し、NFP直後のスプレッド拡大にも注意が必要です。
👉 まとめると結論:
- 今週のテーマは「米雇用統計とFRBの利下げ期待」。
- ドル円は押し目買い、ユーロドルは米ドル主導。
- 豪ドルは弱気、ポンドはレンジ。
来週以降も米国の経済指標とFRB高官の発言に振らされる展開が続きそうです。


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